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  • 2022.02.18 Friday
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物質はすべて原子でできている

分子、原子、原子核

 

 

 

身近なところで、私たちの世界を作っている物質を考えてみましょう。

 

物質名
含まれる元素

私たち(生物)のからだ

タンパク質、脂肪、水、カルシウム、等

炭素、水素、酸素、窒素、カルシウム、等

地球の大気

窒素、酸素、水、二酸化炭素、等

窒素、酸素、水素、炭素、等

地球そのもの

ケイ素、鉄・金などの金属類、等

ケイ素、鉄、金、銀、等

これらの物質はすべて原子から出来ています。原子には様々な種類が

あって1つ1つの種類のことを元素(げんそ)といいます。
例えば水は2つの水素原子と1つの酸素原子とから出来ています。

私たちのからだの材料のタンパク質は炭素原子、酸素原子、水素原子、

窒素原子がいくつも集まって出来たアミノ酸がさらに幾つか集まって

出来ていますので、多数の原子を含んでいます。
 

1つ1つの原子では、原子核の周りにマイナスの電荷を持つ電子が回っています。
原子核はプラスの電荷を帯びた陽子電荷を持たない中性子から出来ています。

原子1つは電気的に中性なので、1つの原子に含まれる電子の個数と

その原子核の中の陽子の個数は同じです。(陽子の個数=原子番号)
原子の種類(元素)を決めているのは、原子核の中の陽子の個数であるといえます。

例えば水素原子の原子核は1つの陽子から出来ています。
その陽子の周りを電子が回っているのですが、

その軌道の直径は約10-8cm、つまり1cmの1億分の1です。
実際には半径の決まった円軌道ではなく、電子は1個でぼんやりとした雲を作っています。

原子番号2の元素はヘリウムで、その原子核は2つの陽子と2つの中性子から出来ています。
電子は2つ回っています。

原子が集まっていろいろな物質を作るとき、原子が持っている

電子をやりとりして結合します。
従って、化学的な性質(どんな原子と結びついて物質を作るか)は

電子の個数で決まります。そして物質を壊すには、やりとりされている

電子を原子から引き離せば良いのです。ではそれに必要な

エネルギーはどの程度なのでしょう? 

ここでミクロな世界のエネルギーの単位として電子ボルト(eV)を使います。

1eV = 1つの電子を1ボルト(V)の電圧で加速
したときの電子のエネルギー

という約束です。日常的なエネルギーの単位としてよく使われる

1カロリーというのは2.6x1019eVです。

例えば水素原子の電子を陽子から完全に引き離すのに必要なエネルギーは13.6eVです。
ほとんどの物質を作っている原子の結合を壊すには数eV程度が必要です。

例えば水を生成する 2H2 + O2 → 2 H2O という化学反応では約6eVのエネルギー(熱)

が出ます。逆に水の電気分解では電源からこれだけのエネルギーを与えて水素と酸素に分解します。

私たちは燃料を燃やしてエネルギーや熱を取り出すときはこのような化学反応、

つまり電子のやりとりをして余ったエネルギーの分を利用しているのです。

この原子同士をくっつけている力の正体は電気力です。プラスチックの下敷きで

髪の毛をこすると下敷きに吸い寄せられる力と本質的には同じです。

そしてこのエネルギーの計算には電磁気学という物理学が使われます。
 

 

物質の化学的性質は電子の個数つまり陽子の個数で決まると言いましたが、原子核の中の中性子の個数は関係ありません。

陽子の数が同じでも中性子の数が違う元素のことを「同位元素」と言います。自然界に存在する元素の多くはそれが含む中性子の数が決まっています。

右に同位元素の例を挙げましょう。赤い玉が陽子、青い玉が中性子を表しています。

中性子を付加することで人工的に同位元素を作ることも出来ますが、安定でなくてすぐ壊れてしまいます。

同位元素
存在比(%)
水素
99.9885
重水素
0.0115
ヘリウム3
0.000137
ヘリウム4
99.999863
炭素12
98.93
炭素13
1.07


原子の大きさはおよそ1億分の1センチですが、原子核の大きさは

どのくらいなのでしょうか?
陽子、中性子の大きさはおよそ10-13cm、つまり1億分の1cmの

さらに10万分の1です。
一方、陽子と中性子はほぼ同じ質量(少しだけ中性子が重い)で電子の質量の

2000倍です。従って、1つの原子の質量はほとんどが原子核が担っています

原子の大きさは電子の軌道半径で決まっていますが、その質量は原子全体の

10万分の1程度の大きさの原子核に集中しているのです。

 

佐賀大学理工学部物理学教室 HPより引用

 


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